どのジャンルを得意にしているかによって、工場の設備や製造ラインの導線設計も変わります。
今回、化粧品の中では一番品目数が多いスキンケア化粧品にクローズアップ。
国内に自社工場を持ち、多品種小ロットでスキンケア化粧品のOEM受託製造を行っているノーベル化学宏業さんにご協力を得て、一般には公開していないスキンケアの工場設備や一連の流れを特別に見学させてもらいました。
工場見学後、スキンケア工場と他工場の違いやどんなこだわりを持ってスキンケア化粧品を製造されているのかを、各工程に携わる社員の方々や経営陣の方々に詳しくお話を聞いてきましたので、併せて参考にしてみてください。
化粧品の品質を保つため、極力外部からの立ち入りを断ち、菌を持ち込まない体制を整えている工場さん。
その一部を映像に収めましたのでまずはご覧ください。
※1分18秒程度の短い動画です。詳しい取材記事は動画下のレポートをどうぞご覧ください
白衣を着用し、菌を工場内に入れないよう、何度も室内履きを替えてから見学スタートです。一にも二にも「衛生管理」をコンセプトにしているノーベル化学宏業さんのご迷惑にならないよう、ガラス越しに工場の様子を案内していただきました。
工場内に入るには、二重になった衛生着と帽子(内部にネットあり)を着用し、手袋・長靴を履いてほとんど肌が見えない状態にします。
粘着ローラーで体中のホコリをしっかりと除去し、さらにエアシャワーを通ってから入室する仕組みです。
「菌」が大敵なスキンケア化粧品工場
ゴミやホコリといった異物を除去
一にも二にも「清潔」をコンセプトに
全身のほこりと菌をとり、靴を履き替え中へ
製造室には、化粧品製造に欠かせない乳化釜・攪拌釜・ホモミクサーといった製造設備類が整っています。
釜にはいくつかの大きさと種類があり、幅広いロットや剤型の種類に対応できるように、機械を分けながら、製造を行っているそうです。
対応範囲幅が広いポイントの一つ
仕込み量30L~300Lの様々な容量の乳化釜
(左)製造室 ホモミクサー(撹拌機):液体と液体を高速で混ぜ合わせるための機械(試作用)
(右)1300L釜:化粧水の製造で多く使用されている大容量攪拌釜
製造・試作の工程を担当しています。試作はとくに細かい作業となりますが、いろいろな材料を釜に入れていく中で、バルクが変化していくところが面白いですね。
また、私が試作をしたときに、量産時はココに注意した方が良いな…と思ったら、注意点を製造工程の担当者や他関係者に共有するようにしています。
試作品は何十個も作らないので、流し込み方、攪拌の仕方一つでも量産になったときと変わってくる可能性もあるからです。
自分でも流行の商品などをよくチェックするのですが、より効果が感じられる化粧品がもっと増えるといいな…と思いながら、日々の業務に取り組んでいます。
日頃からトレンドの化粧品をチェックするなど
研究熱心な山崎さんへの取材風景
製造したバルクを、いったん保管する部屋となります。バルクから検査用のものを抜いて微生物検査を行うため、約1週間は保管するとのこと。
菌の種類によって培養・検査時間が異なるというのが、1週間ほど時間がかかる理由だそうです。微生物検査のほか、pH・粘度測定などの物性検査や官能検査なども行われます。
奥の暗い部屋:工場の中でも陽が当たらない場所に設置されています
充填工程では、ロット数が少ないものであれば手詰めで充填作業を行うとのこと。
5,000個以上で適性が合えば自動充填機を使用しますが、小ロットで自動充填機を使うとロスが増える場合もあり、より精度の高い製品を製造・提供するために人の手で作業を行っています。とくに、チューブなどへの充填は充填口が小さいため、作業員の経験とスキルが必要なのだとか。
自動充填機で賄えない細部まで手作業で充填
5,000本以上だと自動充填機も使うこともあるそう。
ただし細部までのことを考えると、極力人の手を介する充填工程を選択するとのこと
私は、人材育成やスケジュール管理を行う立場です。充填という工程に今メインで入っています
剤型によっては化粧品の中身をつめる口が非常に狭い場合もあります。 一つひとつ手作業でしっかりロスを少なく正確に充填するには、技術・経験を必要とする作業のため、現在特に強化して人材育成をおこなっているんです
将来的には、今いる従業員がリーダー的な存在として育ってくれるよう力を尽くしています
真剣なまなざしで充填技術について
語ってくださったのが印象的でした
箱詰め・袋詰めは、すべて手作業で行う工程です。
小ロット多品種に特化した工場のため、組み立て機械などは使わず、商品の特性を理解しながら、手作業で仕上げを行います。
商品によって箱の形状もそれぞれ違ってきますし、材質、厚み、組み立てなど様々です。それぞれの商品に合わせた工程を組み、目視検査をしながら、箱詰め、袋詰め作業をスピーディーにこなします。
また、ロット番号も指定場所にふらなくてはならないなど、繊細さが問われる細かい作業です
多種多様な品種を目視でも最終品質チェック
お客様のところへ商品をお届けできるよう、仕上げを担当しています。1,000個の商品があったら1,000個キッチリ同じものを送り届けることがモットーです
製造はいろいろな部署・工程を経るため、多少のズレが生じることもあるのですが、できるだけそれをなくすことを目指しています
また、ボトルなどでも最初からキレイなものが入ってくるとは限らないんです。だからこそ、私は検品にも注力しています
自分が商品を買ったときにどう思うか、お客様の目線で考え、絶対にクレームは出さないという気概で取り組んでいます。時には工場長と揉めることもありますが(笑)、すべては品質を追求するためと考えています
化粧品を受け取ったエンドユーザーの気持ちに寄り添いたい
西川さんの熱い想いは、私たち編集チームの胸も熱くしてくれました
左から:製造・山崎さん、工場長・高木さん、仕上げ・西川さん
白衣と衛生着があり、化粧品の中身に深く関わる充填や製造の担当者は衛生着を着用
ホコリが出にくく、すべて二重になっているのが特徴。
髪の毛が落ちるのを防ぐために、帽子の中にもネットをかぶっているとのこと
ノーベル化学宏業の工場長や、各工程を担当されている社員さんにそれぞれの持ち場での心がけ・注意点についてうかがいました。
ノーベル化学宏業の社員さんは、それぞれが担当する業務に対してプロ意識を持って取り組んでいらっしゃいました。単なる作業員ではなく、1人1人が専門家という印象でした。
スキンケア化粧品OEM製造<
についてノーベル化学化学宏業HPで
相談してみる
医薬部外品など有効成分等の分析、微生物の培養・検査を行う部屋です。溶媒などの危険物もあるため、微生物室と機器分析室は部屋を分けています。
微生物室では培地を作り、培養するためのインキュベーターを設置。微生物検査の最終判断については、分析室でできるようになっています。
マイクロスコープ:微生物や異物などの状態を確認する機器
インキュベーター:一定の温度・湿度を保ち、培地を観察しながら培養
微生物の存在を確認する品質管理
(左)クリーンベンチ:高い清浄度を保つ作業空間
(右)オートクレープ:内部を高温・高圧にして機材に菌がつかないように
自社でここまで品質管理の機材を取り揃え、徹底した品質管理の工程を置く化粧品OEM受託製造会社は少ないようです。
1950年の創業から70年、「美を創造する」企業として、数々の化粧品・医薬部外品のOEM製造を手がけてきたノーベル化学宏業。
2代目の代表取締役である勝見さんは、より信頼できる製品を提供するために、製造部門・品質管理部門の充実に邁進されています。
常務取締役であり技術部長を務める紀野さんは、先代の時からノーベル化学宏業の品質を見守ってきたそうです。業界でも顔が広く、外部とのやり取りを担当。トレンドや新しい技術も果敢にチャレンジしながら、常に化粧品の新しい未来を創造してきた方です。
そんなお二人に、スキンケア化粧品の受託製造の真髄をうかがってきました。
― スキンケアの工場と、他品種工場の違いをお二人からお聞きしたいのですが。
紀野さん
大きく言うと、菌の汚染をどうするかというところを一番に考えるのがスキンケアです。
それから水の違いですね。シャンプーとかトリートメントを作るのは普通の水で問題ないですが、スキンケアはそうはいきません。
ほとんどが加工された水です。場合によっては、クライアント様から浄水器が送られてくることもありますね
― それは、「この浄水器を使って化粧品を作って欲しい」という依頼でしょうか?
勝見さん
そうです。持ち込み企画がなかったとしても、水に対するオリジナリティーを出すために我が社では工夫を凝らしています
化粧品に配合される要ともなる「水」へのこだわりを語ってくれた勝見さん
― 水でオリジナリティーとは、どのように出すものなのでしょうか。
勝見さん
たとえば、みなさん市販のミネラルウォーターを購入されますよね。
それは、水道水と違って「美味しいから」という理由だと思います。化粧品でも、同じ処方で水道水を使ったときと加工水を使った場合では、仕上がりが違ってくるんですよ
紀野さん
料理でも、水ひとつで味が大きく変わってきますよね。
出汁を取る時に、水は基本的に軟水でないと取りにくい。硬水を使うと、味が落ちてしまうんです。化粧品でも、同じことが言えますね
勝見さん
昔は、水は正直タダみたいなものでした。
水道水の中にある金属イオンが製造の邪魔となるので、それを取り除くだけで良かった。しかし、今は水にひとつの原料としての特徴を持たそうという流れもあり、スキンケア工場ではとくに水にこだわるようになったんです。それと、防腐ですね
― 最近、防腐剤を使いたくないというお客様も多いのでは?
紀野さん
今はそうですね。防腐剤が入っている化粧品と入っていない化粧品、どちらがいいかと聞いたら「入っていない方がいい」とほとんどの方がおっしゃると思います。
それほど、防腐剤についてデリケートなスキンケア業界。できるだけ防腐剤を入れないように努力を重ねているのがスキンケア工場の特徴でもありますね
勝見さん
つまり、スキンケア工場と他の工場の違いというのは、大きく言うと「防腐剤に対するこだわりに対応できる」ということと「水に対するこだわり」だと思います
紀野さん
やはり、ユーザーからの声を踏まえて、肌への影響はスキンケアが大きいと考えている人が多いからなんでしょうね。
肌によいものをできるだけ使いたいと考えるのは、当たり前のことかと思われます
― スキンケア工場というのは他の工場とはまったく違うという印象だったのですが、製造の際に気をつけていらっしゃることは何かありますか?
紀野さん
1にも2にも「清潔」です。それしかない!といっても良いぐらいです。
かなり大雑把な話ですが、とくに肌への刺激を考える必要がなく、防腐剤を入れればそれでOKのような製品であれば、それほど気にする必要はないかもしれません。
ところが、スキンケアの場合は少しの防腐剤でも刺激が出る可能性があるんです。できるだけ肌への負担を減らしたい。それを可能にするのが、工場の清潔度なんです
1にも2にも「清潔」!とおだやかに、しかしながらきっぱりと語る紀野さん
勝見さん
ほんの少しの防腐剤でも化粧品製造ができる工場は、それだけ清潔度が高いと言えます。
工場が清潔であればあるほど、防腐剤の量も少なくできるからです。
そのため、衛生面に関しては化粧品を製造するハード(機械・設備類)の管理はもちろんですが、ソフト(従業員など)面への基準もキッチリ決めて指導するようにしています
― 衛生面の基準は決めにくそうに思えます。とくに従業員への指導は難しくはないのでしょうか。
紀野さん
品質管理に関しては画一的なものなので、それほど難しいことではないです。
しかし、数十年前自社製品のみを作って販売していた頃と、クライアント様のOEM製品を手がけている今とでは、品質管理の考え方は大きく違ってきていますね
勝見さん
OEMの場合、品質問題で影響を受けるのはクライアント様ですからね。
品質管理への意識は、今まで以上に高く変える必要がありました。その意識改善に大きく寄与してくれたのが、ある大手団体様との出会いです
― 守秘義務の関係上どの会社さんかは言えませんが、かなり大きな団体さんですよね
紀野さん
はい、全国展開をされていて、消費者も厳しい方々が多くいらっしゃるので、品質管理体制をキチッとしておかないと、製品を取り扱ってくれません。
たとえば、殺菌については何℃で何秒、などのルールですね。十数年前は自社製品の製造が中心だったので、その団体様とのお取引をきっかけに徹底した品質管理の基準ができました。そういう基準を工場にしっかりと守らせています
勝見さん
我が社でも独自の品質管理が確立したうえで、厳しい大手グループの一定の規格に沿って製品を製造するうちに、「微生物ゼロの検出をしてから充填して出荷する」ということができるようになりました
紀野さん
品質管理というのは、僕の長い経験の中でも、「会社を助ける」「商品に力を与える」という意味で非常にウエイトの大きいものだと思います。
私も化粧品製造の業界で長いですが、微生物の検査までできるという工場は、まだまだ少ないですからね
勝見さん
微生物の検査については外注パートナーさんに依頼したり、もっと簡易な方法で検査しているケースが多いと聞きます
紀野さん
スキンケア製品というのは、長い間大事なお肌に使うものですから。菌の汚染に関しては一番に考えるようにしています
勝見さん
あと、例の大手団体様とのやり取りの中でどうしても特別な水を使いたいとも考えました。逆浸透膜水 という水です
─ 逆浸透膜水とはどのような水なのでしょうか?
勝見さん
浸透膜というのは、濃度によって流れ方が変わるモノです。この流れを反対にするということは、むりやり圧をかけるということ。
圧をかけると1/4くらいは膜が通らなくなって使えなくなってしまうんですが、その1/4の膜を通った水というのが、非常に細かくて均一な水になります。これが逆浸透膜水です。
逆浸透膜水は肌にも浸透しやすいため、この水を配合して化粧品を作りたいと考えました
─ 逆浸透膜水を使った化粧品というのは?
勝見さん
もう25年前くらいの話ですが、ゲルクリームの開発製造に使用しました。
まだゲルクリームという製品が一般的になる前の話です。当時は、化粧品の成分も全表示ではありませんでしたね。団体様の規定に反しないよう、より良い成分を探りながら、苦労をして作り上げた製品です
紀野さん
以降も逆浸透膜水を使っていこうと考えました。
基本的に、化粧品というのは金属イオンが入ってしまうと成分と反応してしまってうまく製造できなくなるため、イオン交換水というものを使っています。
弊社では、このイオン交換水に加えて逆浸透膜水を化粧品に配合できるため、差別化商材になるはずです
― スキンケアの製造工程の中で、難しく技術力が必要となる工程はありますか?
紀野さん
製造工程で一番難しいのは化学反応なので、そういう意味では乳化ですね。
最近の製品はゲル系が多いですが、クリーム系は乳化の技術を使っています。水と油を混ぜて一体化させるのですが、バランスが崩れるとうまくいかないので難しい工程と言えるでしょう
─ その品質を一定に保てるというのは、ひとえに蓄積した経験や技術力の賜物なのでしょうね
勝見さん
ある程度は経験も大事ですし、古いモノだけにこだわらず、新しい原料を試してみるといったチャレンジもしています。試行錯誤を繰り返すことで、新たに製造の幅が広がったりもしていますね
経験も大事にしつつ、新しい原料開発・新しい原料を使った化粧品開発などチャレンジを忘れない
紀野さん
食品産業でも、何種類も試作を作って試食をし、その中の1つか2つくらいが製品化しますよね。化粧品業界でも同じことです。
乳化ひとつにしても、どの油を使い、どの保湿剤を使って…という処方やタイミングはそれぞれ違うので、試作の段階でできるだけ高めておく。本番の量産時に試作と同じクオリティがだせるようにです
─ そう考えると、試作ってすごく大切ですね…
勝見さん
大事です(笑)!
弊社では試作の段階で、試作開発者から「量産時にはここを注意してください」とか「ここはこれぐらいのスピードで」など、具体的な化粧品製造のレシピを共有しているので、試作と量産のズレが少ないのも特徴です。
製造を分かっている人間が試作を行っているからこそのメリットですね
─ 作っている工場を見学したいというお客様もいると思いますが、工場見学をすることによって得られるメリットというのはあるのでしょうか?
勝見さん
法的なことを言いますと、工場見学をしないとダメなことがあるんです。
我々は製造業ですから工場を持っていますが、多くの製造販売企業様は工場を持っていません。
受託製造会社である弊社と企業様は切っても切れない関係。
販売企業様は必ず年に1回工場を見学し、きちんと製造が行われているかを確認する義務があるんです
紀野さん
その他にも、我が社の工場のスタンスを見てもらって、ここなら安心して依頼できると思ってもらえるようにという、営業的な見学もありますね。
その際によく言われるのが、他会社さんを見てきた方々に「貴社の工場は本当にきれいにしているね」というお言葉です
30数年以上ノーベル化学宏業で共に歩んできたお二人
ノーベル化学宏業の代表取締役と常務取締役・技術部長を務めるお2人は、化粧品業界でも珍しい開発・技術畑のご出身。だからこその強みについて、インタビューを通じてさらに紐解いていきます。
先代のお父様と若き日のご自身について笑顔で語る勝見さん
─ 勝見さんは高校生の頃から製造・開発に携わっていたとのことですが…
勝見さん
ノーベル化学宏業は私の父が初代社長なのですが、私が高校・大学生の頃に「アルバイトで試作をしてくれ」「原料チェックを行ってくれ」と頼まれるようになりまして。
学校の帰りに会社に寄って、作業を行うようになりました。家も学校も、会社に近かったですしね
─ 作業というのは実際にどのような内容だったのでしょうか?
勝見さん
研究・開発する化粧品の試作ですね。お客様からの依頼に対し、いわゆるレシピ(処方)を組んで、渡すといった作業です。
1日1個くらいでしたら30分くらいでできますので、2~3個こなしたりもしていました。
大学を出るまではだいたいその立ち位置でしたが、卒業する頃にはきちんとした製造の補助作業員として働くようになりました。
─ まさに英才教育といった感じですね(笑)
紀野さん
どのメーカーさんでもそうなんですが、なかなか技術畑から上がってきている社長が少ない、というのが印象です。だいたい営業や経理から上がってくる社長さんが多いですね。
やはり同じ技術でも、自分で処方を組めるかどうかは大きな違いです
私が知っている中でも、社長自らがレシピを組んでお客様と直接やり取りできるというケースは、弊社の勝見を含めてほんの数名くらいしかいません
─ 社長自らが処方を組めることのメリットとは?
勝見さん
お客様からの要望を、スムーズに理解しやすいことでしょうか。
試作段階でお客様とは2~3回ほどやり取りをするのですが、回を重ねるごとに要望が具体的になってきます。
どこまで品質や成分を追求するのかといった調整を行うのですが、製造・開発の技術を知っているからこその提案ができていると自負しています
紀野さん
経験の少ない時代は社内でモニターなどを行って、OKが出たものをお客様に提案していましたが、今は見本品などがあるので試作の提案もだいぶ楽になりました。
こういう製品でこういう使用感で…といった見本を見せてもらえるので、要望に合わせやすい
それでもやり取りが行ったり来たりすることはありますが、話が詰まったときに具体的な解決案を提示できる。それも全て、現社長が若いときに製造現場に入って技術と知識を身につけたからこそだと思っています
勝見さん
どこの世界でも同じと言われるんですが、親子ってなかなか喋らないんですよ。
自分の父親である会長が知っていることを、息子である自分にすべて教えてくれればいいんですが、なかなかそうもいかない(笑)
そこで間に入ってくれるのが、紀野さんというブレーン的存在です
紀野さん
社長が高校の頃からですから、もう35年くらいになるでしょうか。
私だけでなく、私の同期ですとか先輩なども含めて4~5人に指導してもらっていました。突然ですが、中華料理では何料理がお好きですか?
─ 中華料理ですか…なかなか出てこないですね(笑)
紀野さん
そうなんです、中華料理とひと言で言っても広東料理・四川料理・飲茶などいろいろ種類がありますよね。同じ中華料理を指導するといっても、どの料理に精通した人が指導するかで違ってきてしまう
1人の人からは1つの技術しか出てこないため、複数の技術を習得してほしいと思ったら、複数の人と交流することが重要となります
化粧品業界にいない編集チームにも
わかりやすいような例えを出してくださいました
─ このようにして勝見さんは技術を磨かれたんですね。
勝見さん
そうですね、技術的なことを理解しているので現場のことがよくわかる。
小さいものと大きいものを作るのでは勝手が違うなど、製造についてよく知っていないと出せない指示もありますよね
化粧品製造の事情を理解して、手順を組みながらスムーズに作業を進められるのは、私というかノーベル化学宏業の強みだと感じています
紀野さん
量産時にどうなるかの知識があるからこそ、試作があがったら、すぐにそれを製造に回せます。その間のブランクがないのは、ノーベルの大きな特徴ですね
それでも、難しいこともあります。200~300gほど作ったサンプルでOKをもらった後、いきなり100㎏を製造することになるんですよ。これはなかなか難しい
もちろんそれでOKをもらえる処方もあれば、考え直すこともあります
勝見さん
こういうことも含めて製造全体のことを理解しているので、注文を受けたときに難しいかどうかをその場で判断できます。
成分やコストなどの問題点を指摘して、どうするかといった提案も可能です
勝見さん
作りたいスキンケア化粧品の種類はもちろんですが、使いたい成分・成分・ロット数など、自社内で決められることについては要望としてすべて出しておいていただけるといいですね
技術畑出身の代表取締役と、その指南役としての常務取締役・技術部長の存在。
お二方を中心にOEM製造の技術を突き詰めてきたからこそ、たしかな品質の製品を提供できるのだと感じました。
より信頼できるOEM製造工場をお探しであれば、ぜひ一度相談してもらいたい企業です。
本社・工場所在地 | 大阪府八尾市萱振町1丁目58 |
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設立年月 | 1960年4月5日 |
資本金 | 4,050万円 |
電話番号 | 072-923-0421 |
公式HP | https://www.nobelkagaku.co.jp/ |